粉体受託加工の「粉砕」で使われる設備
こちらの記事では、固形物質に対し、外部からエネルギーを加えることによって細かくする「粉砕」に使用される設備について解説しています。粉砕設備の役割や選定ポイント、粉砕設備の種類と特徴を紹介します。
粉砕設備の役割と選定ポイント
粉砕設備はどのような役割を持っているのか、という点を解説していきます。加えて、粉砕設備を選定する際の重要なポイントをまとめていますので、参考にしてください。
目標とする粒子径にするために細かく粉砕を行う
粉砕設備とは、固形原料に対して衝撃・剪断(せんだん)・摩耗・圧縮といったさまざまな機械的なエネルギーを加えることによって、粉砕を行うための装置です。数ミリサイズの粗粉からサブミクロンレベルの超微粉まで、目標としている粒子径にするために粉砕します。
原料の物性や目指す粒径や粒子形状に合わせた設備を選定
粉砕設備を選定する際には、使用する原料の物性(硬度、脆性、熱による軟化、付着性、含水率、爆発性の有無など)について正確に把握することが大切になってきます。さらに、粗粉砕(数mm)、中粉砕(数十〜数100µm)、微粉砕・超微粉砕(数µm〜サブミクロン)のどの領域を目指すのかに合わせて粉砕方式を決定します。 そのほか、処理能力に応じた生産規模や消費電力、洗浄のしやすさ、メンテナンス性といった部分についても総合的に考慮することがポイントとなってきます。
主な粉砕設備の種類と特徴
ここでは、主な粉砕設備の種類と特徴について解説します。「ジェットミル(気流式粉砕機)」「ピンミル(高速回転衝撃式粉砕機)」「ボールミル(メディア運動式粉砕機)」「ハンマーミル(打撃式粉砕機)」の4種類の設備について取り上げ、まとめました。
ジェットミル(気流式粉砕機)

https://corp.kurimoto.co.jp/product/item/kikai/jetmil/
ジェットミルは、高速気流や圧縮空気を利用し、粒子同士や粒子と壁面を衝突させることによって粉砕を行います。乾式の粉砕機の中でも微粉末にできる点が特徴です。また、粉砕を行う際に発熱が抑えられることから、熱に弱い素材の粉砕にも用いることができます。ジェットミルは粉砕を行う際に「解砕」「混合」「表面処理」など、二次的な効果を得ることもできます。
ピンミル(高速回転衝撃式粉砕機)

https://www.econmw.co.jp/products/542/
ピンミル(高速回転衝撃式粉砕機)は、固定盤と高速回転する回転盤に多数のピンを配置し、原料がその間を通過する際に生じる強力な衝撃力や剪断力を用いて粉砕を行う機械です。構造がシンプルで洗浄やメンテナンスが容易にできることに加えて、粗粉砕から微粉砕まで幅広く粒度調整ができます。主に顔料や医薬品、食料品などさまざまな分野で用いられています。
ボールミル(メディア運動式粉砕機)

https://www.e-sugiyama.co.jp/products/comminution/wet_comminution/wet_fine_comminution/ball_mill/
ボールミルは、円筒形の容器の中に原料と粉砕メディア(ボール)を投入した上で、容器を回転させたり振動させたりすることによる衝撃や摩擦を利用する粉砕機です。構造がシンプルであり、研究用途から量産ラインまで幅広い分野で用いられています。また、ボールミルは粉砕用途以外にも混合や分散にも用いられています。
ハンマーミル(打撃式粉砕機)

https://www.nara-m.co.jp/media/products/a142
ハンマーミルは、高速で回転するローターに取り付けられたハンマーの打撃力によって、原料を叩いて粉砕する機器です。粗粉砕から微粉砕までを行うことができます。粉砕された原料は、周囲に設置されているスクリーン(網目)を通過して排出する作りになっており、スクリーンの目開きを変更することで簡単に粒度を調整できる点も特徴です。
粉砕環境と品質管理体制
高い品質での粉体加工を行うには、設備の選定はもちろんですが加工環境と品質管理を徹底することが非常に重要です。コンタミ(異物混入)を防ぐための環境などの管理を行う必要があります。さらに、厳格な品質検査体制を構築することに加えて、粉塵爆発を防ぐための静電気除去や防爆対策といった安全対策も重要であるといえます。
要求されたスペックに応じた設備選定が大切
こちらの記事では、粉体受託加工における「粉砕」について解説を行ってきました。粉砕を成功させるには、粒径や形状、純度といった要求される粉体スペックに応じた粉砕設備の選定を行うことが欠かせません。さらに、コンタミ防止や防爆環境、高度な検査機器を備えた品質管理体制が整っているかを確認することも重要なポイントです。
粉体受託加工

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