食品粉体の加工について
食品粉体とは、野菜や果物、調味料などの食品素材を微細な粉末状に加工したもの。粉体に加工することで、食品の保存性や運搬性が向上することに加え、将来的な食品ロスの削減にもつながることが期待されています。
本記事では、食品粉体加工の特徴や工程、メリット・デメリットについて、基礎から詳しく解説します。
食品粉体の加工の特徴は?
食品粉体とは、食品素材を微細な粉末に加工したもの。保存性や利便性の高さから、食品加工業界では広く注目・導入が進んでいます。
食品粉体には、水分がほとんど含まれません。そのため微生物の繁殖が抑えられ、長期保存が可能です。また、体積が小さく軽量になるため、輸送や保管の効率も大きく向上。皮や種など、本来廃棄されがちな部分まで粉体にできるため、栄養素の有効利用にもつながります。
パンや飲料、麺類など多様な食品に活用できる汎用性の高さ、形や大きさが不揃いな原料も粉体化できる利便性なども特徴と言えるでしょう。
プロセスは?
食品粉体加工の主な工程は以下のとおりです。
- 乾燥+粉砕
原料を乾燥させて水分を飛ばし、粒度調整をしながら粉砕機で粉末にします。多くの食品粉体加工における基本工程となります。
- スプレードライ製法
液体やペースト状の原料を霧状にし、高温で一気に乾燥させて粉体化します。処理速度が速く大量生産に適しますが、香りや風味が失われやすいことが難点です。
- フリーズドライ製法
原料を凍結させた後、真空状態で昇華乾燥する方法です。風味や栄養成分が保持されやすい一方、他の加工法と比べてコストは高めとなります。
目的や用途に応じて、最適な加工方法を選ぶことが重要です。
食品粉体の加工のメリット・デメリット
食品粉体加工は保存性や利便性の向上といった多くのメリットがある一方で、製造方法や保管方法によってはデメリットがあることも否めません。食品粉体加工の委託を検討するにあたっては、その特性をよく理解し、自社製品や流通環境に適した選択をすることが求められます。
メリット
主なメリットの1つが、その長期保存性。粉体にすることで微生物の繁殖を抑制できるため、適切な環境下であれば非常に長期にわたり良好な品質を保つことが可能です。
軽量かつコンパクトにまとめられるため、輸送・保管の効率が向上することもメリット。物流コストの削減につながるでしょう。
ほかにも、必要なときに必要な量だけを利用できる点、菓子や飲料などを含めた用途の広さ、不揃いな素材の粉体化による食品ロス削減なども食品粉体加工のメリットと考えられています。
デメリット
広く活用されているスプレードライ製法の場合、高温下での乾燥工程があることから、香りや栄養成分が失われがち。逆に、香りや栄養成分を維持できるフリーズドライ製法は、コストが高く処理時間も長いため、大量生産には向いていません。
また粉体は吸湿しやすいため、保管状態によっては品質が劣化する恐れもあります。加え、十分な搬送設備や衛生管理体制を構築していなければ、異物混入のリスクがある点にも注意しなければなりません。
まとめ
食品粉体は、保存性・利便性・栄養効率・食品ロス削減など多くの利点を持つため、今後も多方面での活用が期待されています。その一方で、製造コストや品質保持、衛生管理など、並行して考慮しなければならない課題もあります。
食品粉体の品質・安全性を担保するためには、十分な管理体制が構築された委託先を選ぶこと、そして製品に合った適切な加工方法を選ぶことが大事。食品粉体の用途・目的に応じて正しく判断しましょう。
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