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耐熱・耐食超合金粉体の加工について

耐熱・耐食超合金粉体は、過酷な高温環境や腐食性の強い環境で使用される部材に適した金属粉末です。ニッケル基やコバルト基などの高性能合金を粉末化し、粒度や流動性といった品質を厳密に管理して加工します。粉末冶金や金属3Dプリンティング(積層造形)での活用が進んでおり、航空機のタービン部品や化学プラントの耐食部材など、幅広い用途で注目されています。

目次

耐熱・耐食超合金粉体の加工の特徴は?

耐熱・耐食超合金粉体は、ニッケル基やコバルト基の高合金を微細な粉末状にした材料です。この材料の大きなの特徴の1つは、高温環境でも強度を維持しやすく、酸化や腐食に対して優れた抵抗性を発揮する点にあります。

粉末の形状と品質管理

ガスアトマイズ法で製造される粉末は球状になりやすく、流動性に優れています。この特性により、粉末の取り扱いがしやすくなるため、成形時の充填性も向上します。また、粒度分布や酸素含有量などの品質管理がしやすくなることから、安定した製品品質を実現できます。

粉末冶金での活用メリット

粉末冶金プロセスでは、ニアネットシェイプ(最終形状に近い形状)に成形した後、焼結やHIP(熱間静水圧プレス)によって緻密化を図ります。この方法により、均一な組織を持つ部材を製造しやすくなります。複雑な形状の部品や精密部材の製造にも適しているので、耐摩耗性が求められる用途でも有力な選択肢となります。

航空機のタービン部品や化学プラントの耐食部材など、極めて過酷な環境で使用される部品の製造に活用されています。

プロセスは?

耐熱・耐食超合金粉体の代表的な加工プロセスは、以下のような工程で進められます。

基本的な加工ステップ

  1. 粉末製造…真空溶解した合金を不活性ガスアトマイズ法で粉末化し、球状粉を得ます。
  2. 粉末調整…乾燥・ふるい分け・分級によって、目的の粒度と清浄度に整えます。
  3. 前処理…必要に応じて混合・小分けを行い、缶封入や脱気などの前処理を実施します。
  4. 成形…プレス成形やCIP(冷間静水圧プレス)などで所定の形状に成形します。
  5. 焼結…高温で焼結処理を行い、粉末粒子同士を結合させて形状を付与します。
  6. HIP処理…熱間静水圧プレス(HIP)により、残留気孔を減らして緻密化を図ります。
  7. 仕上げ加工…熱処理や機械加工を行い、最終的な寸法精度や表面品質に仕上げます。

品質管理のポイント

各工程では、粒度分布や酸素含有量を定期的に確認し、ロット管理を徹底することが重要です。これにより、製品品質の安定性と再現性が確保されます。

3Dプリント(積層造形)への応用

金属3Dプリンティングでは、粉末調整(ステップ2~3)の後に造形を行います。造形後は応力除去熱処理やHIP処理を追加することで内部応力を低減すれば、緻密な組織を得ることができます。

耐熱・耐食超合金粉体の加工のメリット・デメリット

耐熱・耐食超合金粉体は、高温と腐食が同時に厳しい環境で使用される部材に適した金属粉末です。ニッケル基やコバルト基などの高性能合金が中心で、粉末冶金や金属3Dプリンティングの原料として広く使われています。以下、この材料を使用する際のメリットとデメリットを整理します。

メリット

優れた耐熱性・耐食性

耐熱・耐食超合金は、高温域でも強度を維持しやすく、酸化や腐食に対して高い抵抗性を示します。過酷な使用環境下でも長期的な信頼性が期待できます。

高品質な組織形成

粉末冶金では、ガスアトマイズ粉などを成形・焼結し、HIP処理で残留気孔を押しつぶして緻密化する工程が一般的です。この方法は、鍛造材と比較して内部欠陥や粒度のばらつきを抑えやすく、均一で高品質な組織を得られる点が高く評価されています。

複雑形状への対応力

特に積層造形(3Dプリンティング)を活用すれば、複雑な形状や中空構造を設計通りに製造できます。従来の加工法では困難だった形状も実現可能となることから、後工程での機械加工を大幅に削減できます。

安定した品質管理

粒度分布や酸素含有量を厳密に管理した粉末を使用することで、充填性や流動性が安定します。これにより製品品質の再現性が高まり、試作から量産まで同じ材料系で一貫して展開することが可能となります。

デメリット

加工の難しさ

耐熱・耐食超合金は高合金であるため、加工抵抗が大きく、成形・焼結後の機械加工でも工具への負荷が高くなります。そのため切削工具の摩耗が早く、加工時間が長くなる傾向もあります。

割れや組織変化への対策が必要

粉末冶金や積層造形では、熱応力や組織変化に起因する割れが発生しやすい点が大きな課題です。製造条件の最適化や、応力除去熱処理・HIP処理・熱処理などの後処理工程が不可欠です。

高いコスト

ガスアトマイズ粉は製造コストが高く、さらに分級や成分分析などの品質管理にも費用がかかります。微粉は酸化しやすく、粉じん対策も必要。粉末の保管・搬送では、水分や異物の混入を防ぐ厳密な管理が求められます。また、再利用粉の取り扱いも慎重に行う必要があります。

材料費と設備費の両面でコストがかかるため、試作段階でも見積もりが高額になりやすい点には注意が必要です。

まとめ

耐熱・耐食超合金粉体は、ニッケル基やコバルト基などの高性能合金を粉末状にした材料で、粉末冶金や金属3Dプリンティングに幅広く展開できます。

割れ対策や加工時の工具負荷、材料費を含む高いトータルコストなど課題があるものの、優れた耐熱性・耐食性と複雑形状への対応力という強みは、現場にとって大きな魅力となるでしょう。

受託加工を検討する際は、対応可能な工程範囲と分析体制の確認が重要なポイントです。信頼できる加工パートナーとともに、用途に最適なプロセスを選定していきましょう。

製造工程別に選ぶ
粉体受託加工

当サイトでは、化学製品・食品それぞれにおいて「混合~詰替え」「粉砕~分級」「乾燥」の製造工程別におすすめの会社を紹介しています。

【製造工程別】
化学製品の粉体受託加工会社3選

粉体受託加工会社によって、対象の工程ができる設備の保有状況が異なり、得意とする工程が変わります。
ここでは、化学製品の製造工程である「混合~詰替え」「粉砕~分級」「乾燥」それぞれについて、おすすめ粉体受託加工会社を紹介します。

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※1 参照元:ミッケル化学公式HP(https://miccheal.co.jp/contract_powder/)、2024年時点での実績
※2 参照元:喜多村公式HP(https://www.kitamuraltd.jp/biz/funsai/setsubi)、
日本粉体工業技術協会の法人会員のうち、粉体受託加工に対応していることを公式HPに明記している会社及び、Googleにて2024年5月24日に「粉体受託加工」と検索した際に表示された会社のうち、粉体受託加工の設備を公式HPに明記している会社を2024年7月に編集チームが調査。
※3 参照元:ダルトン公式HP(https://www.dalton.co.jp/product/powder/drying_transportation_supply/drying