各素材の粉体加工について
粉体加工では、原料を粉末や顆粒状に加工するため、素材によって加工の方法が変わります。素材の特徴を知り、適切な加工を行うことが大切です。
ここでは、各素材の粉体加工について解説します。
粉体受託加工会社は、得意な製造工程が異なる上、製品によっては製造許可が必要なケースもあります。そのため当サイトでは食品・化学製品それぞれにおいて製造工程別におすすめの粉体受託加工会社を厳選して紹介しています。
依頼予定の製造工程を得意とする会社が手間をかけずに見つかります。ぜひ併せてご覧ください。
金属粉体
金属粉体を加工する技術には、粉体焼成加工、金属粉末射出成形(MIM)、粉体成形などがあります。粉体焼成加工は、ガス炉や電気炉などで粉末状の材料を高温加熱し、物理的・化学的変化を促進して強度や高度、耐熱性を向上させます。
金属粉末射出成形は、微細な金属粉末にバインダーを混ぜで射出成形します。粉体成形は歯車のような機械構成部品に成形加工する技術です。
セラミックス粉体
セラミックス粉体を使った粉体加工には、主に2つの工程があります。粉末材料の性質や粒子の大きさを考え、粉体成形機で上下から均等に圧縮する粉末成形、成形されたセラミックス粉末を電気炉やガス炉などで高温加熱し、粉末粒子同士を融合させる焼成により、材料の強度、高度、耐熱性などを向上させます。
樹脂粉体
樹脂粉体を用いた粉体加工には、さまざまな加工技術があります。液体窒素を用いた低温凍結粉砕や、樹脂ペレットを超低露点乾燥空気を用いて希望の水分量まで乾燥する加工などです。加工会社によって得意な加工が異なるので、メリット・デメリットを確かめて適切な方法を選択しましょう。
化粧品粉体
化粧品にはファンデーションやアイシャドーなど、さまざまな粉体が配合されます。粉体加工においては使用性を高める、カバー力を高める、紫外線を防止するなどの役割もあるため、それぞれの特徴をもつ、いくつかの粉体を混合します。形状・大きさ・性質の異なる粒子が集合して化粧品粉体となります。
製薬粉体
製薬においての粉体加工は、最終的に薬として必要な特性を引き出すために、原料や中間製薬の段階で重要になります。原料の物理的特性を変化させ、微細な粉末状に加工する工程には、粉砕、混合、分級、乾燥、焼成、造粒、表面処理など、さまざまな工程が含まれています。
食品粉体
食品の粉体加工では、原料により加工技術や工程も異なります。食品粉体加工には、洗浄、乾燥、殺菌、粉砕(粗粉、微粉、超微粉)、混合、造粒、分析・測定などの工程があり、原料に最適な方法を選択することが重要です。
顔料粉体
顔料粉体の加工は、溶剤を使わず、VOC排出がほぼゼロで環境に優しい加工です。厚膜で高耐久・耐候性の塗膜を形成できます。静電気や流動層を利用した加工により均一な塗膜が得られ、自動化や大量生産にも適しています。一方、顔料の均一な分散や色合わせが難しく、粒度管理が重要です。用途に応じた適切な活用が求められます。
鉱物系粉体
鉱物系粉体の加工とは、天然鉱物や無機物を粉砕・分級して粒度や形状を整え、特性を高める工程です。粉砕や分級に加え、混合・造粒・表面処理などのプロセスを経て、用途に応じた性能を付与できます。
多様な鉱物を原料にでき、環境負荷が低く高付加価値製品に応用できる一方、凝集や粉じん管理などの課題もあります。そのため、適切な工程設計とプロセス制御を行うことで、これらの課題を克服し、より幅広い分野での活用が期待されます。
無機粉体
無機粉体は、粉砕や分級、混合、焼成、表面処理など多くのプロセスを経て製造され、幅広い産業分野に応用されています。精密な粒度制御と新機能で、電子材料やセラミックス、医療分野など先端技術分野で活用されている一方、設備投資や環境対策のような課題もあり、コストとリスクを十分に検討することが重要です。
磁性粉末
磁性粉末は粉末の表面処理によって目的に応じた磁気特性、電気特性を持つ材料を作ることができます。粉末はプレス成型、射出成形、3Dプリントなどによって加工でき、複雑で精度が求められるような加工にも対応可能です。材料コストが高くなる、加工時に粉末を吸い込んだり粉塵爆発を起こしたりするリスクがあることは押さえておきましょう。
粉体受託加工

当サイトでは、化学製品・食品それぞれにおいて「混合~詰替え」「粉砕~分級」「乾燥」の製造工程別におすすめの会社を紹介しています。




